みおこし

リトル・ヴォイスのみおこしのレビュー・感想・評価

リトル・ヴォイス(1998年製作の映画)
3.2
『ブラス!』の監督の作品で、愛しのユアンが出ているイギリスものということでかなり期待して観たのですが、正直こんなに個人的ツボと、個人的NGが入り混じってる映画は初めてで戸惑っています...(笑)。

イギリスの片田舎に住むローラは、父親が他界してからほとんど口をきかなくなり、父が遺したジャズのレコードを聴いて自宅に引きこもっていた。男好きで高慢な母親マリーはそんな娘を鬱陶しく思っていた。ある日、マリーが家に連れ込んだプロモーター、レイはローラが歌手そっくりに歌えることに気づき...。

ジャズのレコードを聴きながら幸せそうな表情を浮かべるローラの冒頭シーンから最高、そのあと若い頃のユアンが登場してきて鳩を愛でている電話線会社の若手...という神がかり的な設定に萌え(笑)マイケル・ケインとブレンダ・ブレッシンがパブでサイダーを酌み交わすシーンで、もうイギリス好きにはたまらない映画だ!とテンションMAX。
ローラが舞台上で初めてその歌声を披露するシーンは本当にウルっとするくらい感動したけど、その後からまさかすぎる展開になって、最終的に一部の人物にはどうしようもなくかわいそうな結果に...。後半からあまり楽しめていない自分に気づきました。

多分本作を楽しめるかどうかは、主役のローラに感情移入できるかという点にかかだてるのかな、と。心に傷を抱えているのは分かるんですが、必要な時に突然口を開かなくなるのでイライラMAX!空気読みなさいよ!!マイケル・ケインがかわいそうじゃないか!(笑)そしてお母さんのマリーが映画史に残るウザキャラです。こんなにも身勝手で、騒々しくて、下品なお母さん初めて!!たしかにローラが心を病むのも分からなくもない...。
その一方で、マイケル・ケインやジム・ブロードベントなど脇を固める名優さんはみんな愛嬌のあるキャラクターばかりで、だからこそラストが納得いきませんでした。

とは言っても、イギリスの片田舎の風景は心癒されるし、ローラが歌を通して心を開いていく過程は感動的だったし、元気をもらえる一本。イギリス映画好きは要チェックです!BGMも最高!ユアンは出番少ないけれど、彼らしい純朴な役柄でさらに好きになりました!
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