アニマル泉

恋の秋のアニマル泉のレビュー・感想・評価

恋の秋(1998年製作の映画)
4.5
四季シリーズの最終作。秋の高い空、風、斜光が美しい。ロメールは四季それぞれ特有の光を探して撮りたかったのかな?と想像する。
イザベル(マリー・リヴィエール)はワイン畑を育てている親友のマガリ(ベアトリス・ロマン)の再婚相手を心配する。一方でマガリの息子の恋人ロジーヌ(アレクシア・ポルタル)も哲学教師エチエンヌ(ディディエ・サンドル)をマガリとくっつけようと画策する。マガリはロメール作品に典型的なこじらせ女だ。思い込みが激しく夢見るタイプなのだが、いざとなると怯み、傷つきやすい少女気質だ。イザベルとロジーヌはお節介気質。良かれと思ったことが裏目となり相手を傷つける。イザベルは内緒でマガリになりすまして交際相手を新聞広告で募り、ジェラルド(アラン・リボル)を見つける。イザベルの娘の結婚式でイザベルとロジーヌはマガリとそれぞれが用意した相手をくっつけようとする。何も知らないのはマガリのみなのだが、カラクリに気づいたマガリは傷つき、事態がこじれて友情にヒビが入る。思惑げ外れてどんどん頓珍漢に進みのはロメールの十八番だ。イザベルとジェラルドが密会しているのを2回目撃されて誤解が広がっていく構成が上手い。
イザベルとマガリが「都会と田舎」なのはロメールの主題だ。マガリのモジャモジャな毛がいい。
マガリはブルネットで黒い瞳、イザベルはブロンドでブルーアイ、対比的な魅力だ。イザベルのスカーフが素晴らしかった。カラースタンダード。
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