りんごチャン

儀式のりんごチャンのレビュー・感想・評価

儀式(1971年製作の映画)
3.9
初大島渚。「戦メリ」すら未見。

タイトルがシンプル、あらためて何を言わんとするのかが受け取れる。それらの儀式はあくまでも儀式(形式)であり、何よりも重きを置いてきた事により歪が生じていく様は奇妙奇天烈でしかなかった。

従兄の輝道が自ら打った(自分が死んだという)電報を受け取った桜田満州男(ますお)は従妹の律子と共に真相を確認するため遠く離れた島へ向かう。その道中で政財界の大物であった祖父桜田一臣の家でかつて執り行われてきた冠婚葬祭での出来事に思いを巡らせて行く…。

とにかく①家族関係が複雑。②戦後の混乱期という時代も複雑。③登場人物(特に祖父)が進んで複雑にしているという複雑三層構造に苦しめられた。何回巻き戻したことか(*_*)

思い出された出来事はどれも仰々しく奇妙で、これに似通った儀式がまかり通っていたと思うと背筋が凍る。生まれる時代がズレて良かった。エアー結婚式とエアー初夜は怖すぎて笑えなかった(変!)空気にも重さがある事を表すような重ーい桜田家の広間と耳障りな弦の音がゾゾゾッ…