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素晴らしき哉、人生!のガリのレビュー・感想・評価

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)
4.5
【発想と脚本の勝利】
サクセスストーリーとしての後半のテンポの良さと伸びがいい。
もし自分がいなかったら、世の中はもっと悪かったかもしれない。あのときの人助けが、何かを変えたかもしれない。そんな希望を持たせ、生きてて良かったと思わせてくれる。
恐慌に陥ったとき、本当に金がなくなったリアルな恐怖が伝わってくる。その一方で、再び現実に戻ったときの喜びの緩急がいい。絶体絶命な状況なのに、あそこまで喜ぶことができたのは、生きてて良かったと心から思ったから。白黒なのに世界がキラキラして見えた。
本来、人は希望をもとうとするとき、「死なずに生きていたら今後どんなにいいことがあるだろう」と未来の人生にフォーカスするのが普通だと思う。それを過去に当てたあたり、類を見ず新しい試みだと思う。
過去の映画で今も語り継がれてる映画を見る良さは、映画しに残るような新しい試みを発見できるところにあると思う。
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