架空のかいじゅう

トレジャー・プラネットの架空のかいじゅうのレビュー・感想・評価

トレジャー・プラネット(2002年製作の映画)
5.0
ソーラーパネルのようなコーティングを施された帆布が受けた風圧エネルギーを機関部に供給し推進力を得る帆船型の宇宙船だとか、
球体パズルを解くと銀河の地図が3Dホログラムで部屋中に展開し、スマホのように星々をタッチ・スライドできるとか、
スイッチひとつで酒場の窓に映る景色をムーディーなお花畑の画像に切り替えるとか、
全身調理器具なサイボーグおやじとか、
レトロフューチャーレトロ(???)な世界観とマッチしたガジェットの活躍が大好きなのです。

2Dと3Dのバランスも、まだまだCG過渡期で、その質感のチグハグさこそが癖になる。
テレビゲームで言うなればプレステ1の頃のFF(7,8,9)のような、カンペキではないけどセンスと工夫で調整した跡、みたいなものが、昨今の現実と見まがうような隙のないハイクォリティCGよりも案外味わいがあるのです。懐古趣味と言えばそれまでかもしれませんが...

興行的にコケたとしても、クリエイティビティを大いに刺激してくれた大切な作品です。
主人公が乗りこなすソーラーボードは、ナウシカのメーヴェや、ヒックとドラゴンのような爽快な単騎ライド感が味わえる。ほしい。