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按摩と女のうぐいすのレビュー・感想・評価

按摩と女(1938年製作の映画)
3.8
本作を“カヴァー”したという、2008年石井克人監督による「山のあなた〜徳市の恋〜」を鑑賞したのですが、“オリジナル”を見てみないことには何とも!ということでたどり着きました。

ハンデであり、ギフテッドでもあり、社会的弱者という側面は持ちながらもプロフェッショナルという「按摩さん」という存在の描き方が、現代とは異なる時代背景込みで興味深かったし、

そんな「按摩さん」を、ベースとしてはコミカルな主人公に据えながら、重すぎないロマンスとあっさりめのサスペンス、子どもを絶妙な立ち位置に挟んだ人間関係の模様が、湯治場の叙情的な景色の中、66分という短い時間に、なんの過不足もなく美しく収まっていて、スゴィなと思いました。

役者へのピントの合わせ方(というか背景のぼかし具合)、断続的な暗転を挟みながら対象が遠ざかっていく、あるいは近づくような演出や、ラストの別れ…“見えない目に見えている世界”を感じさせるシーンが印象的でした。

“オリジナル”、スゴィ。
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