Ricola

按摩と女のRicolaのレビュー・感想・評価

按摩と女(1938年製作の映画)
4.3
温泉村にやって来た都会の女性に、目の見えない男性が恋をするという物語。

じんわり心がやわらぐ、優しくも切ない恋愛作品だった。


徳さんという主人公に寄り添った形で描かれているため、相手の女性について彼とともに分かっていくドキドキ感がいい。

徳さんたちに素性を当てられたハイキング客たちも面白い。
特に、学生たちと女性たちの言い合いというか掛け合いのシーンがかわいくて微笑ましかった。

ヒロインの高峰三枝子さんの振り返った姿は、まさに振り返り美人の絵のようで、そのときの甘酸っぱい空気感も素晴らしい。

すれ違いざまの淡い恋心が美しく爽やかに描かれる。
静かな温泉村ののどかさと自然豊かな環境にほっと一息つきたくなる。

佐分利信さんの優しい雰囲気のある格好良さもいい味出していた。


全体的に優しい雰囲気で、ロングショットが多いおかげか、場面ごとの空間がとても印象的で、観終わったあとも長く余韻に浸たることになった。
Ricola

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