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野良犬のskm818のネタバレレビュー・内容・結末

野良犬(1949年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

1949年の映画。デジタルリマスターだが白黒でちょっと見にくい。セリフも聞き取りにくい。おいらの聴力のせいかもしれんが。
バスの中で拳銃を盗まれた若手刑事が所轄のベテラン刑事と組んで自分の拳銃で引き起こされた事件の犯人を追うという話。前半むっちゃ眠かった。捜査のために復員兵姿に身をやつした主人公村上刑事(三船敏郎)が街中を延々歩き回る。そこで焼跡闇市にうごめく貧しく汚れた庶民の姿が描写される。ようやく容疑者の目星がつくが、そこからの佐藤刑事(志村喬)と組んでの捜査もやや間延びしてるかなー。
でも多分これ、殺人事件の捜査を通して、当時の庶民の姿だの、ちょっと何かが違うだけで正反対の道に別れてしまう人間の運命みたいなものを見せてると思うんだよね。村上刑事と容疑者の遊佐は同年代で同じように復員してきて列車の中でリュックを盗まれた。でも村上は刑事になり、遊佐は殺人犯になった。2人を分けたものはなんなんだ?と思っちゃう。映画の中では、環境のせいにばかりするなというセリフがあったが、それで片付けていい問題でもないような。それだと結局自己責任論だもんな。
佐藤刑事は色々と割り切って仕事していて、たしかにいちいち犯人の境遇に同情してたら刑事なんてやってられんと思うが、俺らは刑事ではないので犯人になってしまった男のことも考えるべきなんだろうなあ。
それにしても、自分の拳銃で人が殺されたということをいつまでも気にしてる村上流石にうっとおしい笑。そこは割り切れよと。
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