幕のリア

十月の幕のリアのレビュー・感想・評価

十月(1928年製作の映画)
4.2
「ストライキ」労働者の叫び
「戦艦ポチョムキン」民衆の団結
「十月」蜂起から大団円へ

ソヴィエト連邦の成立に至る革命期の動乱をおそろしくダイナミックに描く。

無論プロパガンダ。
だが映画藝術に対する情熱が遥かに上回る。
枚挙に暇がない強烈なカットの連続。
この作品こそが歴史。
そして、ソヴィエト崩壊を経て近年のプーチンの専制政治にロシア国民は何を想う。
エイゼンシュテインが現代に生きるなら何を撮る。
この時代にこのヤバイ映像の数々。
CGを超える新技術で世界をアッと言わせるのだろう。

橋の上がるシークエンスは白眉。

なんせ世界史に疎い日本史派なものでロシアの歴史はちんぷんかんぷん。
怒涛の展開で筋を追うのは諦め、ひたすら画面の色気に見惚れるだけだった。
ただし、エイゼンシュテインの圧倒的な熱量に109分も保たないのも事実。

早稲田松竹ラスト一本上映には間に合わず、新宿TSUTAYAに向かった。
三連作一気見しておいて良かった^ ^
早稲田松竹は明日からのプチ改装を経て日曜から再びエイゼンシュテイン特集。
ご興味のある方は是非高田馬場へ。
斜め向かいの末廣ラーメンでネギ死ぬほど入れて頂く中華そばが好きです。
幕のリア

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