TEPPEI

エイリアンVS. プレデターのTEPPEIのレビュー・感想・評価

エイリアンVS. プレデター(2004年製作の映画)
1.0
「エイリアンVSプレデター」通称AVPはエイリアンファン、プレデターファンの双方から鼻で笑われた。特にエイリアンファンを喜ばせる要素もなければ、プレデターファンを喜ばせる要素も無かった。
本来SFホラーと言っても、シリーズ毎に違うジャンル、演出を施してきた「エイリアン」シリーズと一作目あとにわけの分からん二作目を作った「プレデター」をぶつけるのはフォックスのプロデューサー達が深夜に思いついた企画の可能性があると思っていた。しかしこの二大キャラクターは元々コミックやゲームで既にコラボしていたが、びっくりなのはそのゲームやコミックのアクション描写をまんま映画にぶちこんだ事である。しかも本作のみどころはプレデターがジェスチャーで人間とやり取りをしてくれるというマヌケぶり。エイリアンはエイリアンでやけに強い1体が、プレデターをほぼ殺戮してくれる。
ちなみに本作のきっかけは地下深くに眠るピラミッドで人間を生贄にエイリアンを産んで、プレデターの成人式をイエーイな内容なのだが全く面白くないし、出てくるキャラクター達も何でスペック低い人たちなのかさっぱり分からない。アクションを重視した挙句、わざわざこの大御所2体でなくても成り立つという酷さだ。アイデア出落ちとはこの事で、全然ガジェットを使いこなせないプレデターと、地味に地球デビューのエイリアン達が神秘性のないただのモンスター。そして人間たち。どう考えても人間の存在が蛇足というか、なんかもう面白くない。絶望感を味わえない演出に、シュワちゃん、シガニー・ウィーバーに代わるカリスマもいない。
そしてクイーンエイリアンの存在。もうこんなんフェイスハガー産みまくって、プレデター達に送ってプレデリアンまみれにしてしまえ。ドレッドヘアーのエイリアン軍団を作ってしまえ。
故にポップカルチャーに馴染みたいモンスター達の対決を観れる。
別にこの二体が戦うという共演だけ観れればいいんだよって思っていたけど、それでポール・W・S・アンダーソン監督持ってくるあたりまるでテレビゲームのようなスタイリッシュアクションになること必至でしたな。
総評としてフレディーとジェイソンくんの遊び心満載の方がまだマシと思える、真面目な内容でいったら退屈になった「エイリアンVSプレデター」はその後「エイリアンズVSプレデター2」のように、真っ暗な企画の末路を表している。ブレ幅が目立った続編に関してはあれはもう何なのか、ちょっと酷かった。本来バイオレンスな一面を持っていたシリーズを本格スーツアクションにしてしまうと結果こうなるらしい。
どっちが勝つかハッキリしていれば最高だったかも、知らないけど…。
TEPPEI

TEPPEI