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ドラえもん のび太のドラビアンナイトのスコットのレビュー・感想・評価

4.1
“絵本入りこみぐつ”というひみつ道具で、絵本の中に入りこんで遊んでいたのび太達。そんな中、絵本の世界にしずかちゃんが取り残されたまま、道具が燃やされてしまうという事態に。ドラえもん、のび太、スネ夫、ジャイアンの4人はしずかちゃんを救うため、タイムマシンで794年のアラビア・バグダッドへと向かうー。

これは傑作!面白いし感動した!
単純に笑えるシーンが多い上、シリアスとのバランスが良くて全体的に見やすいし、何よりのび太達がしずかちゃんを探すために途方もない旅に出るという、シンプルながら熱いストーリーにはちょっと目頭が熱くなりました。

謎めいた物語と驚きの展開、主要キャラクターのしずかちゃんが中盤まで出てこないという中でも、不思議と中弛みさせない良質な脚本。

地味にしっかりと伏線が活かされていた。
まだ現世に帰ってない1人は誰か?→全員帰ってきてるという証拠・証言を見つけて一安心→だけどやっぱ帰ってない→てっきり“帰ってきてると思ってた”という勘違いをする前振りがあった、というような感じで、ちょっとしたことだけど個人的には感心した。

感動ありきの安っぽい友情や絆も無く、今回の“ヒロイン”も意外なキャラクターだったのも斬新で良かった。

ただ気になったのは、劇場版ドラえもんでは割とお馴染みの【のび太のママの毒親っぷり】。
今回に至っては、しずかちゃんを永遠に現世に戻れないようにしてしまったのだけど、そもそも動機の割にやってる事が極端すぎて、それに対してのび太が泣きついてきても反省もなく逆ギレ。リアルにイラッとさせてくれた。今作含め劇ドラの大体の作品での、のび太のママの罪は本当に深いぞマジで...。
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