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月夜の傘のmingoのレビュー・感想・評価

月夜の傘(1955年製作の映画)
4.2
100点!!珍しく2時間超えにもかかわらず時間が止まらないで欲しいと思ってしまう心地よいリズム。久松で一番好きな作品に出会ってしまったかもしれない…庶民の日常生活をただ描いただけなのに時代が変わっても、家庭の・家族の風景は変わらない。井戸端会議「四葉会」ではイキってるのに夫の前ではデレる新珠のみっちゃんがキューティクルすぎ。恋しちゃう坂本くん、君は何も恥ずかしくないゾ!「エンゼルフィッシュ・スマトラ!」子役ゆきこちゃんの可愛さ。劇中一番最もらしい発言をする論理的な兄タカシに対して弟のわんぱく小僧ヒロシのお茶目さで劇場爆笑。ばあや役の飯田蝶子が(本名宮島弥生さん、毎月1000円貯金)9万円もの金額(今に換算すると216万円)を貯めてて、念願のピアノを買って貰えると思ってお茶淹れるよ!と意気込むも「お茶どこぉ〜?」にはズコォォォオ。向かいのケンイチ宅の2階にいた女子たちに「で〜ぶで〜ぶ、線路でぺっしゃんこ〜」て言われて可哀想すぎたし、女性4人の生き方をメインに置きながらもきちんと子供でメリハリつけてる丁寧さ。東山千栄子のポロンポロン響くピアノの旋律も忘れられない。極め付けはタイトルにあるラストの「月夜の傘」。「そんなに暴君かなぁ?」と田中絹代に思いやりをみせる宇野重は貫禄充分。
ひそかに撮影姫田真佐久、美術木村威夫、音楽斉藤一郎と完璧な布陣。羽根木公園付近に施したセットと井荻駅前の当時の風景もエモくてたまらない。大丸デパートでシネマスコープ観にタイムスリップしたい
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