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カイジ2 人生奪回ゲームのヤマハのレビュー・感想・評価

カイジ2 人生奪回ゲーム(2011年製作の映画)
3.3
なぜ人はギャンブルに魅せられるのだろうか。本来ならギャンブルとは、期待値が賭け金を大幅に下回るのが普通であり、必ず胴元が勝つように計算され尽くしている。しかし、それでも人が賭場に集まるのはそこに夢があるからなのではないか。
資本主義において、金とはまさに私たちの血である。そうすると、己が人生を賭けて博打を打つカイジらと金のためにパチンコやスロットをする私たちは案外と同じことをやっているのかもしれない。

本作品は漫画『カイジ』の実写版である。一般に実写版と言うと、漫画に比べて質が落ちるイメージがあるが、殊『カイジ』に至っては主人公(伊藤開司)役の藤原竜也の演技力が半端ではないことや演出の規模が桁違いであることが相まって全くもって見劣りしないのが魅力である。

前作とも繋がっており、非常に深みが増していた。漫画『カイジ』の読者としては、ラストシーンに作者の福本伸行先生が特別出演されていたのにも感動を覚えた次第である。ただ、尺や過激度の問題もあってか所々端折られていたり表現が緩和されていたりしたところが見受けられたのは些か寂しい気もした。とはいえ、これはこれで1つの作品として完成されており大満足である。

評価は、面白かったものの個人的には前作の『カイジ』の方が好みであるため3.5までは届かない3.3とした。
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