アメリカで取材旅行をしているドイツ人記者・フィリップはスランプで、原稿の出来ないまま帰国の日に。
だがドイツの空港でストのせいで、翌日のアムステルダム行きの便からドイツに入国するルートしかなかった。
やむなくもう一泊するが、空港で目的地を同じとするリザとアリスの親娘と懇意になる。
翌日目が覚めると、「あとから追いつくのでアリスを預かって」との書き置きが。
だが待てどもアムステルダム空港にリザは現れず、フィリップはアリスの記憶を頼りに、彼女の祖母の家を探す事となる…
ヴィム・ヴェンダース監督のロードムービー3部作の第1作。
カメラマンの男とロリの2人旅を描く。
「パリ、テキサス」のハンター君も中々の美少年だったが、本作のアリスちゃんもかなり可愛らしい美少女。
他人の間柄の成人男性と2人旅とか、通報されそうな関係である。
親子とも友人とも言えない、微妙な関係性の距離感の変化が楽しい本作。
「生きた写真」が撮れない事でスランプに陥っていたフィリップ。
映画ラスト、旅はあっさりと終わるが、天真爛漫な少女との交流は、彼に何らかの良い影響をもたらしただろう。
そんなほんの小さな良い変化を描いた、なんとも言えない後味の余韻が心地よい作品。
