ニャーロフ

都会のアリスのニャーロフのレビュー・感想・評価

都会のアリス(1973年製作の映画)
1.1
オカルト映画の駄作でありロードムービーの金字塔。夜景を見つめてるとこでエンパイヤ・ステート・ビルディングの電光板に666。不吉な予兆が登場する。謎の置き手紙を残したカルト教団信者(マンソンファミリー)かサタニストかも知れない母親らしき女は謎の男と車に乗り失踪。誘拐と洗脳したアリスを空港に置き去りにする。
アリスはお土産屋で売っているアラスカ州のジャケットを着ている。どうでも良い事にアリスは都会人ではない。むしろど田舎の娘で各地を転々としていると思われる。アリスが風呂場で「怖さがなぜ怖いの?」というセリフは虐待などのトラウマによる解離性を伴った発言と思わせる。
フィリップの撮影してるものは全て空虚。ポラロイドではなく二人で撮影した証明写真こそがあるべき姿を証明する。
船の上で子供を抱えムラヤマサンムラヤマサンと悪魔の詩を歌う謎の女性。
チャック・ベリー本人がメンフィスを歌う場面がある。歌詞の中に出てくるマリーは6歳。アリスと同じ年齢くらいだ。各地転々としても電話をくれるのはマリーだけだという内容。
相手の事を考えて行動するより自分の生き方を優先する二人。
ジョン・フォードの訃報を見てやる気になってるフィリップが落書きしてようが物書きをしようがアリスにはどうでも良いことだ。
ラジオを手にして自らの捜索ニュースを聞いてるアリス。川沿いに走り続ける列車の少し先は長いトンネルが映し出される。
悲しい過去を振り返らず危険な荒野を駆け抜け自由を手に入れるための終点無き旅のはじまりの物語。この映画は淡々としていてクソつまらないし面白くもないのだけど現実に起こる人生の転換期なんて他人から見たらそんなものだ。