都会のアリスの作品情報・感想・評価・動画配信

「都会のアリス」に投稿された感想・評価

80年代に映画好きを自称する奴は、だいたいJJベネックスとグリーナウェイとキシェロフスキとヴェンダースが好きだった(彼らは80'sのオシャレ映画のアイコンでもあった)当時の僕はヴェンダースは積極的に好きではなかったんだけど、久しぶりに見たこの映画は最高だった。

とにかくアリスが可愛い!!自分もこんな可愛い女の子と旅したい!!この映画が好きだと言う男の感想はほぼそれに尽きるはず(なんなら女性も)アリスは大人の都合に合わせて理想化されたキャラクターだとは思う。適度に子供らしく、適度に大人で、適度に我が儘で、ちゃんとついてくるし、懐いてくれるし、裸もみせてくれる。アリスの記憶が曖昧で要領を得ないため、主人公は苛ついてるけど、観客はずっとアリスを見ていたいので少しもイラつかない。あまりに良い子すぎてノーストレスで見られるし、永遠に眺めていられそう。

少女をフィーチャーした映画で失敗するパターンとして、誰の視点での物語なのか不明瞭、というのがある。女の子の一人称で語られている割に、女の子をフェティッシュに鑑賞するようなショットが頻発したりすると、カメラの存在と監督の下心が感じられて、見ているこちらが醒めてしまったりする。そういう映画に限ってだいたい女の子が可愛く撮れていない。

「都会のアリス」の優れた点は、徹頭徹尾、写真家男性の視点で物語ったこと。母親と懇意になって、その母親の頼みでアリスを預かることになる、という手順をしっかり踏んでいること。そのことをアリス自身が理解していること。だからキャラクターが少々都合良くても、いやこういう状況だと案外こんなものかもしれない、と思えてくるし、ギリギリのラインでリアリティを損ねていない。そしてアリスがちゃんと可愛く撮れている。少女映画は少女が可愛く撮れていればOK、という少女原理主義の立場から見ると、あるいはこれは完璧な映画なのかもしれない。
STARLET

STARLETの感想・評価

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子どもにとっては、自分の住んでいる家の近く以外ってある意味迷宮。

何気ない時間と風景を上手に切り取って、その迷宮ぶりを見せてくれるヴェンダースの視覚的な感覚は鋭い。

一緒に撮影した証明写真の表情が、時間の経過に伴う2人の関係性の変化を表していて、良かったなぁ(写真の4枠目の部分を観て微笑むアリスの気持ちを察して、こちらも笑顔になってしまいます)。
「アイスクリーム食べたい」「のど渇いた」なんていうなんでもない会話が、とてもよい。
ラストも好きだなぁ。
林檎

林檎の感想・評価

3.6
この監督の作品は何度か勧められたことがあったけどこれが鑑賞一作目。

派手な演出がなくまさに"ロードムービー"といった感じ。アリスは想像以上に生意気なことを言う。笑

不器用な2人の小さな歩み寄りや、それによって生まれる、ほのかにあったかい空気。笑顔でツーショット撮るシーンが好き。レトロな音楽、当時の街並み、たわいもない会話がマッチして一緒にドライブしてる気分になった。

言い合いになったりもしているけど、お互いがお互いに、"何が足りていないのか?"を何となく見抜いていて、それを補い合えるような関係にも感じられる。ただ不器用すぎてやっぱり難しいかも笑
展開も子役の表情も自然体の『ペーパー・ムーン』という感じ。
ドラマが大きく進むわけではない時間も、さりげなく切り取っていて、そのメンバーのいる時だけの時間の過ぎ方が見える。
とにかくアリスが可愛いというのもあるけど、ストーリー的にも『パリ、テキサス』よりこっちのが好き。
ヴェンダースの映画に出てくる子どもって自然体というか変な夢を負わされてない感じがする。
「子どもって一人の人間だから、純粋なだけじゃなく可愛いだけじゃなく、厳しいし憎たらしいよね」的なフラットな目線。
証明写真のところ良かった。
オカルト映画の駄作でありロードムービーの金字塔。夜景を見つめてるとこでエンパイヤ・ステート・ビルディングの電光板に666。不吉な予兆が登場する。謎の置き手紙を残したカルト教団信者(マンソンファミリー)かサタニストかも知れない母親らしき女は謎の男と車に乗り失踪。誘拐と洗脳したアリスを空港に置き去りにする。
アリスはお土産屋で売っているアラスカ州のジャケットを着ている。どうでも良い事にアリスは都会人ではない。むしろど田舎の娘で各地を転々としていると思われる。アリスが風呂場で「怖さがなぜ怖いの?」というセリフは虐待などのトラウマによる解離性を伴った発言と思わせる。
フィリップの撮影してるものは全て空虚。ポラロイドではなく二人で撮影した証明写真こそがあるべき姿を証明する。
船の上で子供を抱えムラヤマサンムラヤマサンと悪魔の詩を歌う謎の女性。
チャック・ベリー本人がメンフィスを歌う場面がある。歌詞の中に出てくるマリーは6歳。アリスと同じ年齢くらいだ。各地転々としても電話をくれるのはマリーだけだという内容。
相手の事を考えて行動するより自分の生き方を優先する二人。
ジョン・フォードの訃報を見てやる気になってるフィリップが落書きしてようが物書きをしようがアリスにはどうでも良いことだ。
ラジオを手にして自らの捜索ニュースを聞いてるアリス。川沿いに走り続ける列車の少し先は長いトンネルが映し出される。
悲しい過去を振り返らず危険な荒野を駆け抜け自由を手に入れるための終点無き旅のはじまりの物語。この映画は淡々としていてクソつまらないし面白くもないのだけど現実に起こる人生の転換期なんて他人から見たらそんなものだ。
この二人は好きだ
超イイ、ずっとみていたい。2人ともかわいすぎる
あとでまた書くかもです
ちろる

ちろるの感想・評価

4.1
ペーパームーンと同時期に作られ、あまりに内容が似ていたために公開の中止を考えたという噂のある本作。
たしかに中年&少女のロードムービーで、ネタも展開も似ているが、あちらがエンタメ系「動」の作品だとしたら、こちらは詩的な雰囲気もある「静」といった感じ。
アリスのいなくなった母親を探すためにモノクロームで流れる電車や車、バス、カフェ、モーテルのローアングルでの映像は、NY、アムステルダムを彼らと共に旅したような気分になります。

不器用な2人故になかなか弾まない会話、2人の気まずい沈黙も含めてこの作品にただよう気怠さがリアル。
憂鬱で疲れを隠せない主人公フィリップですが、葛藤しながらもアリスを完全に見捨てられない彼の優しさのおかげで、2人が擬似父娘ののようになっていく様子が無理なく描かれているところも好きです。

ストーリー自体はこれといった大きな出来事があるわけではない淡々としたロードムービー。
ただ、淡々としているからこそラストに向けて、2人が必死で距離を詰めていく感じがなんだか胸がギュッとなるんです。

無口なフィリップとおませなアリス、この2人がとても魅力的なので、まだずっと見ていたかったなと思わせる、憎い演技をしてくれました。
全部はわかりませんが時折流れるチャック・ベリー、キャンド・ヒートなど、ロックやブルース、そしてジャズ音楽が実におしゃれ。
始終流れるあの不穏な音楽も良き。
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