イチロヲ

ホームドラマのイチロヲのレビュー・感想・評価

ホームドラマ(1998年製作の映画)
3.5
大豪邸に暮らしている富裕層の家族が、一匹のネズミをペットとして受け入れたのを契機にして、負の連鎖に落とし込まれてしまう。フランソワ・オゾン監督の長編デビュー作となる、ブラック・コメディ映画。

原題の「Sitcom」とは、毎回リセットされる世界観の中で、人畜無害なドラマを繰り返していく、シチュエーション・コメディのこと。日本人には馴染みがないため、邦題では「ホームドラマ」という言葉選びになっている。

本編内容は、タイトルの意味合いの正反対を突き進む、悪趣味ドラマに終始一貫。シットコムが取り扱わないネタ(セックス&バイオレンス)を、シットコム風に盛り込むという実験がおこなわれている。

意外性に富んだ展開を後付けで足していく手法が取られており、奇を衒っている感覚がとても強いため、良くも悪くもフランス人の感性が炸裂している印象。「こういうのやりたかったんだよね!」という製作側のテンションに身を任せるのが得策。
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