ぶみ

ダーティハリー3のぶみのレビュー・感想・評価

ダーティハリー3(1976年製作の映画)
3.0
ジェームズ・ファーゴ監督、クリント・イーストウッド主演、『ダーティハリー』シリーズの三作目となるサスペンス・アクション。
ハリー・キャラハン刑事が新たな女性相棒とともに、武器強奪事件の捜査にあたる姿を描く。
前作が犯人探しをメインに据えたサスペンス調であったのに対し、アクションやサスペンスは少な目。
反面、施策により一定数女性を刑事として採用したり、犯人グループが人民革命軍団を名乗るヒッピー風であったりと、当時の世相を反映してか、社会派風味の味付けがなされている。
アクション少なめと言ったものの、中盤イーストウッド演じるキャラハンが容疑者らしき人物を追うシーンは、階段を駆け上り、フェンスを乗り越え、ビルからビルへ飛び移りと、パルクールとは言わないまでもジャズ調の音楽をバックにスピード感溢れるチェイスを見せてくれるのはハイライトの一つ。
そして何より、終盤の舞台が、本作品の三年後にイーストウッドが脱獄犯として主演し、本シリーズ一作目の監督ドン・シーゲルがメガホンをとった『アルカトラズからの脱出』のアルカトラズ島だったのには驚き。
原題は『The Enforcer』で、直訳すると『執行者』や『用心棒』となるので、意味合いとしては当たらずと雖も遠からずと言ったところか。
全体的には前二作と比較するとこぢんまりとしてしまった感は否めないが、70年代のザ・アメリカ的な空気感は悪くなく、終盤のアルカトラズ島でテンションが上がってしまった一作。

殺人課にようこそ。
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