Melko

スモール・ソルジャーズのMelkoのレビュー・感想・評価

スモール・ソルジャーズ(1998年製作の映画)
3.7
「コマンドーに必要なものは?」
「敵です」

「私たちは負ける。そうプログラムされている。」

”Gorgonites, fight!”(戦えゴーゴナイツ!)

負けられない戦いが、ここにある…!!

マークをつけた思い出しレビュー作品を見返そうシリーズ
「主人公の母親が、飛んできた火の玉をラケットで撃ち返す場面」の記憶しかなかった作品、15年以上ぶりに再鑑賞!
すごく面白くなりそうな要素が満載なのに、不完全燃焼だった思い出だけど、また見たくて。
うーん、あの頃の想いは覆らず、、でもやっぱり場面場面は楽しかった!

というのも、再鑑賞するには私が大人になり過ぎたなっていうのもあるかも。
元も子もないツッコミをしてしまうと、
精密機器も扱うものづくりに従事してる身からすると、事の発端となるおもちゃたちの製造工程があまりにも非現実すぎて気になってしまい。
人形自体に商品化の実績があるとはいえ、できるかどうかもわからんものを3ヶ月で仕上げろと?!鬼畜か?!悪魔か?!
ハイテクな玩具は大体1年仕事です。
「テストとかやらないといけないので6ヶ月はかかります」と、開発担当は至極真っ当なことを言ってます。
それを本当に3ヶ月で仕上げた(のであろう)とは、魔法か何か使ったのかな…
誰か出張行ったり、徹夜したりしたんだよねきっと…
マイクロチップ✖️1000個で50万ドル(当時の価値でも6000万ぐらい?)をポーンって簡単に発注しちゃうマーケティング担当…上司の決済とか要らないのか??

……なんて、ものすごいノイズになってしまったわ!イケナイ!

でもやっぱり、「自らの意思を持って行動し、人間を脅かすおもちゃ」ってのはすごい興味深くてテンションのアガる題材!
すごいおっかないトイ・ストーリーって感じ。

軍用チップを埋め込まれたフィギュア達の戦い
角刈りチップハザード少佐率いるコマンドー部隊
VS
礼儀正しい獣人 アーチャー率いるゴーゴナイト

ホントに人間を殺しにくる勢いのコマンドー軍団
やっぱりすごく勿体ないのは、戦うべき相手のゴーゴナイツがほぼ機能してないこと。コマンドーと戦ってるの、人間なんだよなぁ。。
それでも、お世話になった主人公のピンチに「隠れてたって負ける。どうせやられるなら戦おう!」みたいな、ヤケクソ根性で立ち向かうのは好感持てる。だからこそもっと早く動いて欲しかった。。
あと、特撮や人形のクオリティに力を割き過ぎて、メッセージや主人公やゴーゴナイト達の成長の過程がやや強引なのも気になってしまった。
伝えたいメッセージとして繰り返し出てくるセリフとかも特に無いし、、
あとこれはめっちゃ好みの問題だけど、コマンドーにもゴーゴナイトにもビジュアルが好みのキャラがいなかったんだよなぁ、、こればかりは仕方ない。

さすがグレムリンの監督らしいダストシュート使った制裁シーンも出てくる!

バービーみたいな人形が改造されて凶悪になるシーンは今見ても結構トラウマ。グチャグチャの顔とか乱暴な言葉遣いとか、子供には刺激が強過ぎる〜

BGMが地味に良いんだよなぁ。
RUSHを好んで聞く15歳の女の子って結構拗らせてる気が…
♪Yo〜で始まるあの曲、爆音で鳴らされたら近所迷惑だよね笑

立てこもる家の中を急に取り仕切る火の玉ラリーママに、ヒャッハー言いながらバトン振りかざして人形撲殺するヒロインに、ピンチの際に強いのはやはり女か…?笑

本編の後、今回はメイキング映像とNG集、削除されたシーンなど、特典映像も堪能!

主人公もヒロインも、絶妙に美少年/美少女ではない(近所にいそうなリアリティな)のがポイントだろうか。

グロボテック社長役のデニス・リアリー
「ハンサムで頭が良い。女にモテて男に尊敬される。まぁ、いつもの役だよ」って言ってた笑

フィギュアデザイン担当のアーティストがインタビュー受けてる後ろでアーチャーが動いてて、おっ…!!

1体の人形の四肢を5人で動かす様は、人形浄瑠璃見てるみたい。。!
ビックリするのは、実写フィギュアとCGフィギュアがほぼ遜色ないこと。
これもまた、プロのためのプロの現場である。
チップの声はトミーリージョーンズ
ゴーゴナイツはスパイナルタップの面々
不気味ドールの1体にはクリスティーナリッチ
BGMはあの←Rock&roll part2!先見の明あるじゃん〜。

削除された学校でのシーンとかあっても良さそうだったけど、この作品は120分以内に収めるべきかと。

フワッと3.0つけてた思い出しレビュー、作り手と役者の頑張りに、スコアアップ!

そしていつの日かまた、見返したくなる時が来るのだろう…

▼思い出し過去レビュー▼
話の中身はあまりないけど、健気なおもちゃたちにキュンとする。
Melko

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