つのつの

はなればなれにのつのつののレビュー・感想・評価

はなればなれに(1964年製作の映画)
4.0
偶然出会った男女が大金を盗んで高飛びする計画を立てるが事態はそう簡単には上手くいかず最後は死者が出たりうまく逃げられたりと悲喜こもごもなエンドを迎える………というどっかで500回ぐらい聞いたことのある"パルプフィクション"もゴダールの手にかかれば超難解な前衛映画、ではなくめちゃくちゃ楽しくて自由な映画になってしまった!

英会話スクールの教師の朗読だって、店のジュークボックスから流れる音楽だってキャスト達の愛おしいやり取りをキレッキレの編集で乗せてしまえば見事にポップな場面たり得てしまう。
この映画のマジックに、ゴダール作品が語り継がれている所以がある気ががする。
タランティーノ映画で、映画の進行とは関係のない場面が心地よく感じられるのはこのイズムを組んでいるからではないだろうか。

勿論今の目から見れば詩を長々と引用する場面とかは難しかったりもするけれど、パリのルーヴル美術館や地下鉄の中でこんなにも自由な映画が存在していたのだと知るだけでも底抜けに元気が出てきた。
自転車の左折信号を律儀に守るアンナカリーナ!
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