Kota

はなればなれにのKotaのレビュー・感想・評価

はなればなれに(1964年製作の映画)
3.5
“ここは映像に語らせよう。”

オープニングが超絶オシャレで、ダンスシーンは“シンプルメン”や“パルプ・フィクション”に、ルーブル美術館を駆け抜けるシーンは“ドリーマーズ”にオマージュされている映画好きのための映画好きによる映画。タランティーノはこのタイトルの製作会社作っちゃうし、ハル・ハートリーに至ってはゴダール好きが作品から溢れ出してるよね。

ゴダールの“気狂いピエロ”は全くダメだったんだけど、今作はエンタメ寄りで見易かった。ナレーションでキャラの心情を説明したり、逆に説明しなかったり、1分間の沈黙タイムを作ったりとっても遊び心に満ちている。プロットとかカット割りとかは別に全然良くないんだけど、このとりあえず映画撮ってみました感が逆に今もなお愛される作品にしているのかな。観る人がどのような意味を付けるかによって解釈なんて無限にできてしまう、そんな事を何故か考えさせられる。原点回帰できる傑作でした。
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