No.3225
『障害を持つ人と、セックスの話をしたことがありますか』
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CPとは、脳性まひ(Cerebral Palsy)の略。
このドキュメンタリー映画は、そのCP者の急進的な団体「青い芝」の活動と思想を追った、原一男監督のデビュー作。
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最近、同監督の超長編『水俣曼荼羅』を見たが、この中で監督は、
ある水俣病患者の既婚男性に『初夜』のことを聞いていた。
また、この『さようならCP』の中でも、CPの男性たちに「初体験」の話などをさせている。
両作とも、ズケズケと切り込んでそんなことよく聞けるなーと思いながら見ていたが、
何のことはない、そう思ってしまってること自体が差別じゃないか、とハッとした。
今ではEテレのバリバラや、『37セカンズ』でも障害者のセックスについて真正面から取り上げていたりする。
それを原監督はおよそ50年も前に先取りし、今でも貫いているわけだ。
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それにしても、「青い芝」のメンバーが街頭で活動資金の募金をしていると、
けっこうな率で老若男女が募金していく。
なんだ、意外とこの頃(この映画の公開は1974年[昭和49年]である)から、健常者は障害者の活動に理解があるんじゃないか、と思ってたら、
とんでもない。募金した理由を聞くと、
「気の毒だから」
「かわいそうだから」
「私たちは恵まれているから」
「理由はよくわからない」
「出かけてきた帰りのついで」
もう、めちゃくちゃである。
めちゃくちゃすぎるから、彼らCP者は、街へ出て、身体を晒すことで、めちゃくちゃな「健常者の世界」へ挑戦状を叩きつけるのである。