ミミック

ショート・カッツのミミックのレビュー・感想・評価

ショート・カッツ(1993年製作の映画)
3.7
レイモンド・カーヴァーの短編小説をもとにロバート・アルトマン監督が、アメリカの住宅地に住む9組の家族・友人総勢22人の登場人物の日常を同時進行に描いた群像劇。

ワンシーン数十秒~数分で次々と場面が切り替わるせわしない展開に誰が誰だか分からないまま進むが、しばらく見続けるうちに「この人のこの人がお隣さんなんだ」「ここ同士が友人で、あの人があの人の旦那で」「こことここが不倫してるんだ」と分かってくる。登場人物が意外に身近な関わりを持っていたり、愛があったり裏切ったり、死に関わったり傍観したりと人生に起こる日常のあらゆる状況を客観的に眺めてる気分になる。

人生の経験を積むことで劇中の誰かに感情移入したりまたは嫌悪感を抱いたりと見るたびに違う感想になる。何年かおきにふと急に見たくなる作品。

個人的にはレストランで働く女性とアル中の旦那の夫婦が、緊張と倦怠感が入り交じった生活の様子がなんだかとてもリアルに感じられ心に残った。

作中から感じる死の臭いや性の差し込み方から、古谷実作品や「マグノリア」、ドラマ「ツインピークス」などを連想した。
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