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永遠の戦場のryosukeのレビュー・感想・評価

永遠の戦場(1936年製作の映画)
3.4
ホークスにしては切れ味が悪いかな。暗い空間でひたすら喋っているだけの単調なシーンが多い印象。
ヒロインが中尉に惹かれていく過程、中尉が大尉を敬愛するに至る過程にあまり丁寧さがなく、心情変化に納得感が無い気がする。
ジューン・ラング演じるヒロインの美しさは光っていたんだけども。
終盤の戦闘描写は途切れることのない銃声と煙で埋め尽くされており、敵の姿も明瞭に映らないので、抽象化された戦場の恐怖そのものが映像と化して垂れ流され続けているかのような異様な迫力がある。
...とか思っていたらいきなり教会に移動する編集が無茶で驚く。ホークスのウェルメイドなイメージからは遠い作品に思える。
ラストのモランが息子の目となって導くシーンは、口笛として予告されてきたラ・マルセイエーズのメロディが、モランの誇りの象徴である「ラッパ」によってオフの音で鳴り響くことになる。
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