ぽむ

リリイ・シュシュのすべてのぽむのレビュー・感想・評価

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
4.5
観るかすごく迷ったけど観てよかった。作品自体とても気になっていたけど、レビューにネガティブなものが多く、観て後悔するかな~と思い、なかなか観る勇気が出なかった。でも、まあせっかくお金払ってレンタルしてるんだし、観ないのももったいないか、と思って観ることにした。ダメージを喰らいすぎないために、あえて感情移入しすぎないように気をつけた。

私はこの映画は嫌いではない。思春期は、苦しくて、今にも消えてしまいそうな危うさをまとっている。"儚い"という言葉が自分の中で最もしっくりくる。私にとって青春はそんなイメージだから、キラキラと描かれているものより、こういう作品の方が好んで観てしまう。ただ、描かれているものを、思春期あるある、として簡単に認めてしまってはいけないと思う。いじめや犯罪、他人を平気で傷つける行為は、決して許されるものではない。いくら思春期の不安定な時期であっても、やっていい事と悪い事の分別くらいはついてほしい。本人のせいだけではない部分も大きいから、育つ環境や関わる人の存在は本当に大きいと思う。

などなど、いろいろ思うことがあったわけだが、映画の感想に話を戻すと、映像と音楽がやはり綺麗だった。もともとドビュッシーが好きなのもあり、心に響いた。また、自分自身も何かに猛烈にハマることがあるため、リリイ・シュシュのファン心理には共感するところがあった。
映画の中では、主人公を取り巻く現実世界と、リリイのファン・サイト「Lily holic(リリイホリック)」の世界が相反するものかと思いきや、交わる瞬間があり面白いと思った。

またいつか観るかもしれない。
ぽむ

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