西木寸

リリイ・シュシュのすべての西木寸のレビュー・感想・評価

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
3.7
情緒的な描写や音楽と、挟まれる過激な映像、そして鬱な物語の融合で、冷たい現実だけど美しい世界を展開する岩井監督色全開の作品。
いじめ、自殺、援交...中学生活の闇を、リリーという一人のカリスマアーティストの掲示板を絡めて、美しくも残酷に描きます。

個人的には厨二病的な描写に嫌になる作品もあれば、世界観に引き込まれる作品も。
「リップバンウィンケル~」や「花とアリス」はダメでしたが、「スワロウステイル」はドンピシャでした。

逃げ方を知らず、それしかないと自分を追い込んでしまう。
どういう結末になるか知らない故の、残酷さ。
大人になれば抑制できるものの、そこに行き着くまでに必要な経験値のない中学生。
最終的に雄一もまた、唯一と思われる手段を見つけてしまったのでしょうか...
西木寸

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