このレビューはネタバレを含みます
とても悲しいお話。かといって泣けるわけでもない。苦しい。やっぱり体は資本だな。なにも死ぬことはなかったんだ。タバコをひっつかんで投げ捨ててやりたかった。食べてくための金があるというのはなんと幸せなことか。働くには健康な体。それさえあれば生き抜いていける。
ラッツォの薄汚いドブネズミみたいな小さな後ろ姿も、ジョーの人懐っこい笑顔も、ニューヨークでは誰も気にとめない。世間は冷たい。その中でジョーとラッツォはやさしい。ずるく生きていてもやっぱり優しいから、それだけが救い。