フリーザ

真夜中のカーボーイのフリーザのレビュー・感想・評価

真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)
5.0
大好きなバンド筋肉少女帯のボーカル兼作詞家の大槻ケンヂが相当この作品を気に入ってるようで、筋少の「サボテンとバントライン」という曲中にもこの作品が出てきます。
オーケンのエッセイでも度々触れられており随分前から名前は知っていて観よう観ようと思っていたのですが、時間が経つに連れてなんだか観る為のハードルが上がってしまい観そびれていた本作。
なんならタイトルと筋少の曲のせいで西部劇だと思っててそれも敬遠していた要因でした(西部劇全然観たことないので)


前置きが長くなりましたが勢いで観た結果どストライクな内容で、西部劇でもなかったです笑
因みにカウボーイじゃなくてカーボーイなんですよねタイトル。


能天気で人が良いカウボーイコスプレの大男のジョーと、フロリダ行きを夢見る病気持ちの小汚い小男リコの凸凹コンビがとても良いです。

度々フラッシュバックするジョーのトラウマがエグいですが、それでも前向きな姿勢に、ただの間抜けなナルシストに見えていたジョーを見る目がどんどん変わっていきました。

リコも足が悪く常に咳をしていて体が弱く、仕事もせず盗みで食いつないでいるダメ野郎なんですが、フロリダへ行く妄想の中では楽しそうにビーチを走り回ってたりして泣かせます。
ダスティン・ホフマンは元から好きだったんですが更に大好きになりました。

複雑な関係ですが、数少ない2人のやりとりからジョーがリコを思いやる気持ちが伝わってきてグッときました。
リコの存在感は勿論のこと、ジョーのちょっと抜けててダサいんだけど不器用にリコとの友情を大切にしようとする姿が大好きです。
またBGMも素晴らしい。


「サボテンとバントライン」の歌詞は、主人公の少年が映画館にバクダンを仕掛けるが、その時上映していた『真夜中のカーボーイ』に観とれてしまい映画館諸共吹っ飛ぶっていう内容でなんですが、それどころじゃない大事な場面にでこの映画に引き込まれてしまった少年の気持ちが分かった気がします。
もっと早く観れば良かった。


2019.11.8
2024.4.12
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