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真夜中のカーボーイの380のレビュー・感想・評価

真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)
3.6
アメリカン・ニューシネマ(和製英語との事)とか言われても全然「ニュー」ではないので
The Hollywood Renaissanceの方がシックリ来るかな。他にはNew Hollywood、American New Waveとか言うそうです。

日本よりアメリカの方が進んでるので、ちょっと昔のアメリカとか見ても全然良い感じなんですが、此処迄昔だと全然不便そうでした。まだ整ってないっつーか教育が行き届いてないっつーか。ごく一部の人達だけがNYの街をスタスタ歩いちゃって相続により裕福、みたいな。そうゆう人達への反発が「アメリカン・ニューシネマ」と言うムーブメントなのかなと思いました。それを凄〜く端的に表現すると、お偉方がそんな風にやってっと、こんな風に不幸な人間が増えちゃうぜ。みたいな事でしょうかね。

この作品のなかではベトナム戦争の臭いはあんまりしないものの、やっぱり主人公がキチンと教育を受けてなく、貧しく、どんどん酷くなる感じでした。NYのホームレスや犯罪の数が減るのなんて1994年にジュリアーニ市長になってからぐらいですからつい最近の事。それ迄は酷かったんだろうなと受け取りました。

とは言えもうちょっと巧くやれば良いのに、と思いました。バイトなんか幾らでもありそうだし、風呂入って身なりを整えてちゃんとお医者さんに診て貰おうぜって思いました。
甘いかな…🤔
読み書きもおぼつかない訳ですからそうも行かないのかも知れませんね。

ジョン・ボイトがやっぱりアンジーにクリソツなんですよね。骨張ったこめかみ、小さく離れた目、オバQ的な唇。彼が演じる主人公ですが、地元で酷い目に遭ったみたいで可哀想でした。でも割とメソメソせず、シャキッと頑張ろうとしていた訳なんですが…余りにも世間知らずで。金は先に貰え!とか思っちゃいましたが
時折見せる不安そうな表示が何か気の毒でした。

ダスティン・ホフマンの方は、なんでホームレスなのかだとか事情はあんまり分かんないんですが、兎に角イケメンで驚きました。特に生え際!w
浅黒い肌、キリッとした眉&目。高い鼻とか整然と凹凸の有る顔立ち。

そんな2人がボロボロになりながら育む友情がこの作品の醍醐味ですね。
人対人の愛情や友情やコミュニケーション、心を通わせる事、違いに興味を持ち、一緒に何かする経験、一緒に過ごす時間。
それ以上に大事な物なんてこの世にあるでしょうか。

主人公生来で固有に持った凄く良い所も有るんです。ラッツォ(ホフマン)が漏らしちゃった時の反応!

でラッツォが1番最後に発した言葉は
thanks
でした。
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