だい

クラムのだいのレビュー・感想・評価

クラム(1994年製作の映画)
2.2
アンダーグラウンド・コミックスの漫画家でありイラストレーターのロバート・クラムの半生を、
その育った家庭環境を軸にして追うドキュメンタリー。


作風としてはあれだな、
昔のいちばん尖ってた時代の宝島にいそうな。
キャラの顔だけは手塚治虫風なのに。


なんていうか、
さすがに作風がエログロすぎて、
ぼくは苦手of苦手でしかないんだけど、

やっぱり作者のロバート自身もヤバいレベルでクレイジー。
わりと嫌悪感抱いちゃうほど。

と思ってたら、
そんなロバートが家族でいちばんマトモとか、
家族が極限まで達しちゃってて、もはやわけがわからない。

やっぱりこういう環境で育たないと、
あんなの描けないよな。。。


わたせせいぞうさんとかはきちんとした家庭で育ってそう。



というかさ、
このドキュメンタリーの主役って、
どう考えてもロバートの兄のチャールズでしかないよね。

チャールズをカメラが追っちゃうと、
完全にロバートが「精神病患者チャールズの弟」という立ち位置でしかなくなるのよな。
それくらいチャールズの存在の圧が強いし、
その意味で、
この映画が「ロバート・クラム」ではなく、「クラム」であることに意義がある。


日本でも、
精神を病んでしまった漫画家って山田花子さんはじめ何人かいるけど、
そういう、
心の闇と創作物、
内と外がどう絡み合っているのか。

それを生前のインタビューで聞けるのって、
普通にすごいことだと思うんだよな。



弟のマクソンは一人だけ別の方向で突き抜けちゃってるし(好き)、
そんな中で、ロバートの前妻との間の息子だけすごいマトモなのが謎すぎて、
その秘密を解き明かすドキュメンタリーを作ってほしいと切に願うのである。
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