イギリス発祥の「クイズミリオネア」って日本でもみのもんた司会でやってたけど、同じような番組世界の何処でもあるんだネ。ヤラセ番組と冷めて観ていたが本作はそれを逆手に取って無学の貧困青年が生き別れの幼馴染の恋人を探す手段でクイズショーに出演したところ、難しい問題も次々に正答する快進撃に何かイカサマしてるんじゃないかと警察に突き出され拷問される。その取り調べでボンベイ貧民街で生まれ兄と途中で出会った孤児少女と共に浮浪児として生き抜いてきた過酷な生い立ちとクイズ問題の関連が明らかにされていく。孤児収容施設を騙った裏社会ビジネスやヤクザの抗争も織り交ぜ3人の運命をフラッシュバックで見せる語り口のうまさと3人のそれぞれ幼少期、少年期、青年期の役者がどれもしっかりハマっていて超一級のサスペンスラブストーリーになっている。過酷な尋問する警察官はどこかで見た顔と思いきやあの“ライフオブパイ”の役者だね。信じてもらえない奇跡の漂流物語を語ったからにはこの青年の奇跡の物語も信じてあげないと辻褄が合わなくなる⁈ということで無事釈放され翌日の最後の問題に挑戦するクライマックスに向かう。インド映画擬きのイギリス映画、インド映画定番の歌と踊りのフィナーレをしっかり最後に演出して気持ちを浄化してくれる。最期に自己犠牲を払ったお兄ちゃんや警察官、ちょっと意地悪だったクイズ司会者もみんな出てきて踊ってもよかったかな。
