鍋レモン

スラムドッグ$ミリオネアの鍋レモンのレビュー・感想・評価

スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)
4.3
⚪概要とあらすじ
『トレインスポッティング』『28週後…』など多彩なジャンルで観客を魅了する、鬼才ダニー・ボイルの最高傑作といわれる感動的なヒューマン・ドラマ。

テレビ番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、賞金を獲得したジャマール(デヴ・パテル)だったが、インドのスラム街で育った少年が正解を知るはずがないと不正を疑われ逮捕される。ジャマールになぜこれほどの知識があり、この番組に出演するに至ったのか。警察の尋問によって、真実が明らかになっていく...。

⚪感想
「彼はあと1問でミリオネア なぜ勝ち進めた?」「1.インチキした 2.ツイていた 3. 天才だった 4. 運命だった」

あぁああ面白い!!!!

インドを舞台として、1人の少年の生い立ちとクイズ番組が絡ませながら描かれる。
運良くこんな問題が出題されることはないのを前提としても面白い。人生もクイズもどちらも伏線になっていたり。
3つのライフラインの使い方もかなり良かった。

主人公の生い立ちの中でのインドの貧困や人種、宗教といった社会状況がわかる。
宗教と物乞いについてはある程度知っていた方が理解しやすいかも。ヒンドゥー教とイスラム教とかどんな人だとよりお金が貰えるかとか。

主人公ジャマールを演じる役者の方がぴったり。少し情けない雰囲気がある一方で誠実で真っ直ぐで揺るがない。
子供の時にインドの映画スターに会うために糞尿が貯めてあるところに飛び込んだの凄く良かった。それでサインをしてくれるスター。

誰もが知ってる答えを知らないところもあってそれを言い返すジャマールがかっこいい。
あなたにとっての「そんなこと」は、他の人にとっての「そんなこと」とは限らない。

兄のサリームは威張っていたりする時もあるけど幾度となくジャマールを助けていたし、ああした環境の中ではジャマールよりもサリームの性格方が上手く生きていけるのだと思う。

ママンとジャヴェドは最低だった。

貧困で十分な教育を受けられず、大人によって支配され、働き、物乞いをし、バカにされる。

人生を送るなかでちゃんと身につけた知識ってどれだけあるんだろうか。

結局のところやっぱり運命だった。



⚪以下ネタバレ



クイズ番組の司会者が嘘の答えを教えてジャマールが違う答えを選択した時の司会者の顔が良かった。ざまぁみろ感。

兄のサリームは死んでしまったけどママンを殺しているからこの結末は妥当だと思う。
テレビを観て未だにラディカを探すジャマールの深い愛に心が動かされたところが良かった。

最後の問題に関しては、ジャマールやラティカが答えを知っていたのではなくただの感。それがまた良くて、やっぱり運命なんだろうなと。

⚪鑑賞
映画天国で鑑賞(字幕)。
鍋レモン

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