本作はもう、馴染みのある市の姿。
杖の先におみよのかんざしが、あたるシーンがいい。
おばさんの家を去ろうとした時、裾が引っ掛かったシーンや、沼の橋を渡る姿は浮世絵の様できれい。
映画版ならではなのか、返り血のついた市や、手前の槍や刀の刃と向こうの市の遠近は新鮮に思えた。
それにしても、新兵衛の最期はまぬけだった!(笑)
米俵がグロテスクな雰囲気を醸し出していて、状況が状況なだけに、ぼんやりと膾が浮かんだ(笑)
どちらも食べ物で笑える。
最後、鈴の音の状態とおみよのすすり泣きの声の感じがいい。木陰にいる市の様子もよかった。