片腕マシンボーイ

太陽の墓場の片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

太陽の墓場(1960年製作の映画)
3.0
前の緊急事態宣言ん時は若松孝二デビューしたからな、今度は大島渚デビューしてみたよ!

戦後のスラム街と化した釜ヶ崎で日雇労働者や愚連隊、ルンペン、ヤクザ、娼婦、なんかがなんやかんやすんよ!って話

悪魔の毒々ナンチャラに出てくる有毒廃棄物みたいな緑色の酒!それ飲んで大丈夫なん?ひゃー!
が、マシンボーイの最大のひゃー!ポイントやったわぁ

そうな、近年再開発が進み消滅しつつある大阪のドヤ街西成あいりん地区の60年前の姿を映し出した資料映像としては非常に興味深かったです
高度経済成長に置いてきぼりくらった人々の生き残りを賭けた凌ぎ合いも土臭く汗臭く獣臭くパワフルで見応えがありました
うん、でも面白かったか?と問われると…フ、フツ〜、ラストの大騒ぎとかワクワクするシーンはまぁ確かにあった

同じく釜ヶ崎でロケを敢行した作品ならマシンボーイは一昨年のマシンボーイ映画賞で4位入賞を果たした傑作「月夜釜合戦」のが俄然好きやもんなぁ…
はぁ「月夜釜合戦」もっかい観たいけども、今どきフィルム撮影とフィルム上映にこだわった作品やから、デジタルにおとしてDVDリリースとか全く考えてはいないんやろうなぁ、観たいなぁ…、観たいなぁ!
「月夜釜合戦」と同じ年にもう1本釜ヶ崎を舞台にした「解放区」なんて作品もあったが、逆にマシンボーイあっちは全くハマらんかったもんなんやが、両作の公開された2019年は行政によって日本最大のドヤ街釜ヶ崎が変わりゆく中、昔ながらの釜ヶ崎を感じられる最後の年だったのかもしらんなぁ
マシンボーイはかつては大阪に住んでいたが、もう大阪には9年近く行ってないからな、釜ヶ崎のシンボルでもあるあいりん労働福祉センターが閉鎖された今、釜ヶ崎がどうなっているんかは全く知らんのやけども
中国人観光客が飛田新地に遊びに行くだの、今はだぁ〜いぶ丸くなったと言われる、そんな釜ヶ崎のかつての近づきがたき獰猛な姿を観れるだけでも、まぁ観て損はなかったかなぁ、とはなった本作
今となっては小さく見える通天閣も当時はめちゃ存在感あったんやな!

ただもう一度言わせて貰いたいんは、本作の影響も色濃く受けているとも思うが、マシンボーイ的には「月夜釜合戦」こそ本作を超えベスト釜ヶ崎映画!もっかい観たいから、何とか妥協してDVD化するか、どうしても無理なら定期的に上映して欲しいわぁ
あ!「太陽の墓場」と「月夜釜合戦」の新旧釜ヶ崎映画2本立て上映とかどうかな?「太陽の墓場」での「マシな世の中になっていくんか?」っつー疑問に60年近く後の「月夜釜合戦」から答えが出そうな気がするわぁ、げろげろ、って事で誰かまぢお願いします〜!