曜日ごとに監督が変わるしストーリーも変わる。イニャリトゥ作品のように最後オムニバスで時系列が綺麗に繋がるのかなと思ったけど、そこまで一貫性はなく、むしろ個々の曜日ごとに生きるクバーナの姿を楽しむ作品なのかもしれない。
個人的にはシュールな世界観の木曜日が好き。ホテルに泊まったアラブ系の記者とそのまわりのハバナの日常を描くのだが、冷徹なまでに傍観者の目線で撮ることで見えてくる国民性が面白い。ちなみに土曜日、日曜日はキューバという国と国民性がよくわかる。
土曜日。社会主義ゆえに個々人の経済活動は全て国家によって制限されている中、副業のケーキづくりをいかにバレずに行うか。小麦粉がなくなれば、管理人の目をかい潜り貰ってくるし、途中電気が切れてメレンゲがダメになれば近所中から卵をかき集めて納品までに間に合わせる。また水曜日と繋がりがあるようで、この辺のファンカルロスタビオ監督の巧さ好きです。
日曜日。マリア様のお告げを聞いたと言うおばあちゃんにアパート中が振り回されながら、祭壇を作っていくほっこりストーリー。アパートの壁は壊すわ職場のペンキ盗むわめちゃくちゃだが、それも皆マリア様のためだからしゃーなしになっちゃうのはさすが。お金や職にシビアじゃないのはやはり国民性なのだろうか。
