きんぽうげ

キルソドムのきんぽうげのネタバレレビュー・内容・結末

キルソドム(1985年製作の映画)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

中国残留孤児が話題になって、久しい。それと同じレベルで北と南に分けられた肉親の問題は、韓国では、その歴史的な背景が伴っているだけに 、根が深いと思われる。映画はTV局が中心となって、その催し物を開き、それを見ている一家庭の人物も同様の目に遭っていた事を明らかにさせる。現在から過去を振り返る回想形式の作り方であるが、それは、むしろ効果的であったと思う。若い頃の過ち(ではないか?)によって生まれた子供をめぐっての話である。今は当然の事として暮らしている家庭であっても、その過去は当然、ある。それが悲しい事であっても、嬉しい事であっても、一筋縄ではいかないのも分かる。つむじが二つある事や、胸が陥没しているという、肉体的な特徴によっても、決定的に親子であるという結論が出ぬまま、血液鑑定によって、ほぼ、間違いなく親子であると分かった時、母親は拒否をした。何故だろうか?育った環境によって、人格が好ましくないと思えないということになったからであろうか?はっきりは分からない。それに反して父親は入籍を、家族の反対を押し切ってまでも、させようとする。この正反対の対応について、どういう意味を持たせれば良いのだろうか?
いずれにしろ、現在ではそういった事は無くなったが、母親が拒否する事によって、現実にはTVで取り上げられるだけの美化された再会ばかりでは無かった事を表現したかったのではないだろうか。
きんぽうげ

きんぽうげ