きぬきぬ

モーガン プロトタイプ L-9のきぬきぬのネタバレレビュー・内容・結末

モーガン プロトタイプ L-9(2016年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

これ、ケイト・マーラの会社から派遣された問題処理係(掃除屋)の彼女が人工生命体であるなら、彼女は完全なる成功例で、殺人マシーンとしての基本が組み込まれている人工生命体の情緒や情操教育を施しているモーガンのプロジェクトは元々会社にとっては不要なんじゃないのか、と思えるのだけど。
しかも明らかに、モーガンの本質を隠しての教育は余計に彼女を混乱させ失敗してるし。危険な本質を持つモーガンに対して研究者たちの対応は油断しまくりのぬるま湯状態。幼児から育成してるから情が湧く気持ちはわからないでもないけど、ルールを破るローズ・レスリーの職員なんて駄目でしょう。
研究者にトビー・ジョーンズにミシェル・ヨー、ジェニファー・ジェイソン・リー、ポール・ジアマッティなど良い役者揃え、特に情を隠してモーガンと一線おいて対応しているミシェル・ヨーの博士なんてとても良いけど、人工生命体の暴走としてはありきたりで物足りない。

それでも、モーガンのアニヤ・テイラー=ジョイの薄幸そうな少女の風貌に、保身と愛憎が敵意へと変わる暴走での人間ではない亜人間感は秀逸。この作品でも彼女の悲しみと怒りの眼差しは印象的で、本当に良いなあ。
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