脇役がやたら豪華で驚いた。監督がリドリー・スコットの息子となるとやはり役者も集まるんだろうか。
映画のテーマは父親であるリドリー・スコットの傑作SF『ブレードランナー』に似ている。製作のリドリーの意見もかなり反映されているのかもしれない。
誰もが予想でき得るような想定内の展開が続くが、起承転結の転にあたる部分の原因になるシャピロ博士の面接のシーンが不可解で、ストーリー運びのために無理矢理作られたシーンのようで強い違和感を感じる。ヘルシンキで起きたとされる20人以上が犠牲になった事故の件はおそらくシャピロ博士も知っていたはずで、更にグリーフ博士の事故があったにもかかわらず、シャピロ博士はモーガンを不自然に刺激する。そしてそれを誰も止めようとしない。唯一リーは「止めないと」と言うが動かないし他のメンバーも誰も止めには行かない。
物語を決定的に展開させるためのシーンが不自然で強引であれば、そこから物語に入り込めなくなってしまう。
終盤のモーガンとリーの華奢な美人同士の格闘シーンは新鮮でそこそこ見応えはあるが、カットを細切りにしすぎている。
ラストシーンは予想できるように一つの分かりやすい要素が終始散りばめられているので鋭い人なら序盤で気づくかも。ラストの展開に気づいてから観るとまた違った感覚になる映画だと思う。