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仮面/ペルソナのmasayaanのレビュー・感想・評価

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)
4.2
これが67年とは........キューブリックの『2001』も68年とかだし、基本、この時代ですでにアートとしての映画は完成しきっていたのではないかと思ってしまうほどの完成度だ。観念的にもバッキバキで、阿呆のように言えばポストモダン、柄谷的に言えば生きること全体に伴う「意味のなさ」を超絶的に達観した女優と、かつて浜辺で男たちと乱行したことや、そこで孕んだ子をおろしたことや、それを内緒にしてる彼氏と結婚することに「それでも何か意味がある筈」とエモってしまう看護師とのチルアウト・デイズ。「本当の自分」や他者との健康的なコミュニケーションを求めるエモさが、ポストモダンの冷徹さに対してキレるという構図なので、後半の空転ぶりが凄まじいが、「完全メタ」なる座標は存在せず、すべてに対して観察者の立場でいたつもりの女優も少しずつオブジェクト・レベルに落ちてくる。傑作だが、基本、自分はハリウッド映画の単純さがやっぱり好きかなー。