ぼく

仮面/ペルソナのぼくのレビュー・感想・評価

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)
5.0
ベルイマン作品3つ目の鑑賞です。
映写機や男性器、クモや羊などの象徴的なパーツで構成されたモンタージュ映像のオープニングは、指折りの迫力でした!

ストーリーは胃もたれ間違い無しの難解さですが、視覚的な楽しさ、すなわち光と陰で分断されたシルエットの造形美と陰影の畏怖、さしずめ映画が色彩を得る代わりに失ったものを顕著に感じられると思います!

本作のエンディングは解釈の余地がたっぷりで、鑑賞後じっくり考えるのが楽しいと思います。正直、エリサベットから分離したアルマとその統合と短絡的に考えるのは迂闊かなあと思いますが、それしか無いすよね。どうも2人の人間は存在しているように思えるのでやきもきします笑

また、誰かに話すというより1人で喋っているように見える写し方が素敵だなあと感じますし、本作で何度も示唆された”演技とウソ”を踏襲しているような気がします。

先述の映写機や男性器、おぼろげな女性と醜い子ども、ホロコーストや僧の焼身自殺など象徴的なものを意識しながら観るとワクワクすると思います。精神分析と絡みはとても気になります

画面がうるさい”叫びとささやき”よりも観やすいですが、本作は鑑賞後、奥歯に物が挟まったような消化不良にムラムラします笑
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