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仮面/ペルソナのTOTのレビュー・感想・評価

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)
5.0
他者を演じる空虚のうちに言葉を失くした女優と、他者になる憧れを語る看護師。
望まず母になった女と、堕胎した女。
二人の女性が繰り広げる問答は、やがて一人の人格の光と影になり、反転し統合する。
男性器、蜘蛛、羊の解体、掌を穿つ釘、眠る老婆、大スクリーンにぼんやりと映し出された女性の顔をなでる少年、焼け落ちるフィルム、金属がぶつかるような不快な高音とともに連写される前衛的なモンタージュ。
女性の人格形成の内圧と外圧、映画の表象と物語ること、ひとところに内在し分裂し衝突する力の拮抗。
寝室の奥カーテンの向こうから現れる女優、徐々に暗く見えなくなる顔のアップ、女優の夫を介し前に後ろに二人が錯綜するカットいけてる。
ど傑作。1967年作でこんなにできちゃってたら、あと何すんのさ。
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