ユナマリア

仮面/ペルソナのユナマリアのレビュー・感想・評価

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)
4.0
これは凄い!

アバンギャルドで、斬新な編集があるにも関わらず、分かりやすくテーマが伝わってくる名作。

もちろん難解ではあるが、ひとりの女優とひとりの看護師の二人芝居の中に、タイトルの「仮面」の意味が深く刻まれているところが伝わりやすい。

看護師のアルマは、喋る事が出来なくなってしまった女優エリサベートの看護を担当する事になる。

ふたりで別荘で暮らす事になり、看護を続けるアルマ。

ひたすら黙って話を聞くエリサベートに、自分の過去の話等をするようになる。

そしてその過去とは、婚約者がいる中、違う男と肉体関係を結び、妊娠、堕胎までした事を話してしまう。

それだけの信頼関係が築かれたふたりだったが、とある出来事をきっかけに大きくヒビが入る。

なんとエリサベートが女医に送ろうとしていた手紙には、アルマが暴露した過去の事が書かれていたのだった…

まずは理解不能なオープニングから始まる本作だが、ちゃんと伏線になっていて、後々解説を観るとこのオープニングが全てを語ってもいた。

そして、ほぼ主演のビビ・アンデショーンとリヴ・ウルマンのふたり芝居で進むのだが、お見事過ぎる。

自分とは掛け離れた女優への価値観を保ちつつ理解していく様子が、見事に表現されたアルマ、あくまで女優として仮面を増やすエリサベートと、しばらく癖になるふたりのキャラが本当に良い。

そしてふたりの顔が差し替えられるカットがとても好き。
ユナマリア

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