仮面/ペルソナの作品情報・感想・評価

「仮面/ペルソナ」に投稿された感想・評価

masayaan

masayaanの感想・評価

4.2
これが67年とは........キューブリックの『2001』も68年とかだし、基本、この時代ですでにアートとしての映画は完成しきっていたのではないかと思ってしまうほどの完成度だ。観念的にもバッキバキで、阿呆のように言えばポストモダン、柄谷的に言えば生きること全体に伴う「意味のなさ」を超絶的に達観した女優と、かつて浜辺で男たちと乱行したことや、そこで孕んだ子をおろしたことや、それを内緒にしてる彼氏と結婚することに「それでも何か意味がある筈」とエモってしまう看護師とのチルアウト・デイズ。「本当の自分」や他者との健康的なコミュニケーションを求めるエモさが、ポストモダンの冷徹さに対してキレるという構図なので、後半の空転ぶりが凄まじいが、「完全メタ」なる座標は存在せず、すべてに対して観察者の立場でいたつもりの女優も少しずつオブジェクト・レベルに落ちてくる。傑作だが、基本、自分はハリウッド映画の単純さがやっぱり好きかなー。
atsuki

atsukiの感想・評価

4.6
メタファーの込められたサブリミナルをモンタージュしたアバンタイトル。そこから性と死を匂わせ、始まるのは仮面の剥がれた患者と仮面が剥がれて行く医者との喰っては喰われの精神カニバル医療もの。

何とも言えない溶け出していく感じは、映画だけでなく観客のペルソナ(人格)まで曖昧にしてしまいそう。またあのエロ話が衝撃的でめちゃくちゃエロい。
いつも驚かされる冒頭の映像は色々な映像を組み合わせたモンタージュ...嫌でも不安な気分にさせらせる一方でワクワクする場面でもある。たぶん一つ一つの映像に意味があるのだろうが、ウーンよくわからない...(笑)

物語は舞台女優のエリザベート(リブ・ウルマン)が突然失語症になり看護婦のアルマ(ビビ・アンデーション)に付き添われて療養に行く話。
無表情で時折歪んだ笑みを見せ終始無言のエリザベートに対し一心不乱に喋りまくるアルマが時折重なって見え、ラストシーンへと続いていく。過去の出来事を喋るうちに、エリザベートとアルマの過去が交差して...

やはり、ベルイマン、凄いです。人は多くの仮面を付けて生きている。相手や自分の立場によって仮面を変えたりしている。
今作の場合は過去の出来事によるストレスも内面と外面を乖離させる原因なのかもしれないですが、精神的に病んでいる状態も表現していたように感じました。
なんとなくわかったような、わからないような感じですが、今作は後に作られた映画に多大な影響を与えたとも言われており、とても実験的な映画だな~と、思いました。

前に観た映画「ブラック・スワン」や「ファイト・クラブ」などは影響を受けたらしく、見直してみたくなりました。
N4M30V3R

N4M30V3Rの感想・評価

5.0
これを67年にやってる衝撃!
もうこれ系のテーマつくんなくていいよってくらい完成されてる!

個人的にはフランソワ・オゾン「スイミングプール」の元ネタだってことがわかって嬉しかった。(スイミングより複雑なのがまた良い!)あと、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン!!!
こんな撮りかたがあったのかと唸る
映画の新たな魅力を知れる作品
美しい
「何らかのキャラを演じる自分」と「むき出しの自分」のせめぎあいという、人間として普遍的なテーマを描いているので、他人事じゃないように感じて見入ってしまう作品だった。

「マルホランド・ドライブ」にとてつもない衝撃を受けたクチなので、あれよりも30年も前にこれがあったとなると、開いた口がさらに塞がらないですね。
本当の女優は一体誰だったのか?
キよ4

キよ4の感想・評価

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無機質であまりにも美しいモノクロ映像
冒頭の断片的な刺激的なカット
突然割り込んでくるピントのづれた変な画像やコラージュの挿入
ひとり喋り続けるアルマとそれを聞き入り始終沈黙のままのエリーザベット
理想と現実 夢と現実 嘘 芝居 真実?
ほとんど似たふたりだけの映画なので鏡を見てるようだ 自己と他人 愛と憎しみ
言葉は無力
バカな俺にはよく分からん
イングマル・ベルイマン監督の大傑作。

この作品は、イングマル・ベルイマン監督のごひいき女優=ビビ・アンデルソンにそっくりのノルウェー舞台女優=リヴ・ウルマンを発見して起用して、2人を競演させるために書き下ろしたオリジナル脚本による映画。

モノクロ映像による本作は、冒頭からフィルム映写機シーン→山羊?の流れる血→手のひらに打ち込まれるクギ→老人たちの死体らしきシーンから始まり、舞台女優エリーサベット(リヴ・ウルマン)が舞台で動きを止めてしまって入院している病院でエリーサベット担当となった看護師アルマ(ビビ・アンデルソン)の二人を通じて、「人間の本性とは…」に迫る凄いテーマを描き切った監督の力量に脱帽。

終盤、「あぁ、このシーンのために、似た容姿の二人の女優を起用したのか~」と判る瞬間があり、大いなる感動である。

このように目を離すことが難しいくらい緊張感を持続して、映像的にも内容的にも見事な映画は、芸術の極みである。
ジョン

ジョンの感想・評価

4.1
ソリッドな緊迫感、澄み切った映像
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