仮面/ペルソナの作品情報・感想・評価 - 3ページ目

「仮面/ペルソナ」に投稿された感想・評価

「どうか顔だけは、やめて‼︎。(仮面には触れないで)」

ベルイマン監督の中でも難解寄り、というよりは、熱狂的なカルト人気を誇る。しかしその信者は今をときめく、巨匠達のシネフィル時代に集中し、解読不可能な作品の全貌はさておき、そのヴィジュアルこそに歓喜、大熱狂を収めた。

前衛的なそのアバンタイトルの先制攻撃にノックアウト。
そこから始まる、穏やかな会話劇がまるで第七の封印の死神と対峙する如く、緊張感ピリピリな『ペルソナ』同体感覚を持った自己との対立が描かれます。
そのクールすぎるアングルと、背筋がゾッとする様な、ヤバい物が写り込んだ感。
とにかく楽しすぎる82分間に巨匠達は、惚れ込んで30年後の"ファイト、マルホランドドライブ、クラブ"も同じ題材を扱った程の影響力だ。

この静かな会話劇は、一方が沈黙し、もう一方はマシンガントーク。この2人の役者の演技合戦も凄まじいものだが、どちらかは分からないが一方は存在しない、ドッペルゲンガー的要因だと思われる。

劇中では、2人の望まれない子供についての告白があり、本作は人格が入れ替わって、なんたらの話以前に子供がその様子をウォッチしていることが大前提としてある。

冒頭、フィルムが回りいくつかの映画が投影。主人公どちらかが、歳をとって亡くなっている。かと思いきや、目を開き少年の前に巨大なモンタージュ(霊的な)として現れ、子供にとってはトラウマすぎる恐怖の仮面劇場で身の上話が語られていく。
劇中エリザベートは顔への攻撃の「やめて‼︎」と「無」としか話さない。
仮面の下は、墓場まで持っていきたい秘密、あるいは記憶から抹消した黒歴史がそこにはあり、その元からメタ的に映画全体が構成されている。
そう、我々観客は仮面を剥がし真相をえぐる物語ではなく、仮面の内側から彼女達の深層心理をウォッチしていたのです。
その為、本作は訳の分からない歪な作品に見えてしまう。

物語が終わってもなお、母親の幻影に触ろうとする少年の姿はなんとも悲しい。
歳を取った青年の姿ではなく、少年として映し出されているあたりが、主人公の子供による、映画全体が夢なのではないか、とまで思えてくる。
sakikas

sakikasの感想・評価

3.5
最初からアートが過ぎませんか…
お腹いっぱい。頭いっぱい。
乱交を一人語りするシーン最高。
ベルイマンの映画のなかにおいても、とくに精神分析的、哲学的なテーマが明確に表現されている一作。
それらが思弁的になることなく、美しい詩として映像化されている。

目の前にいる女は、どこかの分岐点でわかれた「もうひとりの自分」かもしれない…。

さまざまな解釈と分析が可能な傑作。
マミコ

マミコの感想・評価

4.5
前にみてたね
見えるものと観えないもの、分身
ぴろか

ぴろかの感想・評価

4.2
ベルイマンを知ることができて良かった
手を比べるのは不吉よ
nomu

nomuの感想・評価

3.8
女優の中身が手に取るように分かった。
きっと2人で過ごす中でも彼女はずっと女優で彼女らは女優で、女優と名乗っているかいないかの違い。成り代わることもできるし、自身でいることもできるがそれが分からなくなる瞬間があるのだろう。ベルイマン監督のその視点と、その目に映る女優像なのかと作品の真意が知りたくなった。
ふたりの女の輪郭が溶けていくような、不思議な感覚…
Ryotal

Ryotalの感想・評価

4.5
舞台で言葉が出なくなった女優エリザベット・ヴォーグレルは看護師のアルマと医者の別荘で休養をとる。喋ろうとしないヴォーグレルに対して、憧れの女優を前にしたアルマは海辺で少年らと乱交をした話や、夫との話などを間断なく喋り立てる。エリザベットは和やかに聞いているように思えた。話そうとしないエリザベットの内心は一通の手紙で明らかになる。

一度観ただけでは消化できなかった。それでも魅力的な映像に惹かれる。誰もが抱える二面性。アルマは〈仮面〉を被ることなく、エリザベットに内心を打ち明けるが、逆にエリザベットは硬い〈仮面〉で覆われている。そして、アルマやエリザベットは自分自身ばかりではなく、周囲をも傷つけてゆく。後半ではエリザベットがアルマになり、アルマがエリザベットになったと思うと、アルマはアルマで、エリザベットはエリザベットにもどる。と思えばーー。正直まだ消化できていない。また見直す。
人間の持つ不安 かなわなかった夢や残酷さ死への恐怖 耐えがたい現世の苦悩が来世の救済という希望を打ち砕く。
闇と沈黙を前にして信仰は揺らぎ、神に見捨てられたと感じる、震えながらそう語る。

誰の中にもある二面性。冒頭の映像が格好良すぎて。僕の中のもう1人のひさと。名を(ひさし)以後お見知り置きを。そう、ひさしが雄叫びをあげた。