シズヲ

続兵隊やくざのシズヲのレビュー・感想・評価

続兵隊やくざ(1965年製作の映画)
4.2
前作の綺麗な結末が開始三分くらいで引っくり返されるロケットスタートにおったまげる。実際一作目である「兵隊やくざ」の完成度を考えると続編は蛇足な気もするけど、何だかんだで本作も普通に面白いから凄い。前作で見られた軍隊の生々しい閉塞感は少し抑え目になっているものの、そのぶんコミカルな描写や娯楽性はグッと増している。個人的にはこれくらい破天荒な作風の方が爽快で好みなんだよな。

やってることは前作とあまり変わらないんだけど、既に大宮と有田の関係性が出来上がってるだけに不動の安心感がある。もはやブロマンスに近い二人の掛け合いは相変わらず魅力的だし、暴力と知恵のコンビネーションで不良上官を叩きのめすカタルシスもお約束ながらめちゃくちゃ痛快。大宮の大暴れっぷりもパワーアップしてていっそ清々しい。

ユーモラスな雰囲気が増えた分、カツシン演じる大宮の魅力にもますます磨きが掛かっている。豪放磊落で男らしくて、だけど人懐っこくて愛嬌たっぷりの人間味溢れる人物像にはもう可愛げすら感じる。やっぱり大宮はカツシンのキャラクターとの噛み合い方が尋常じゃないのだなあ。看護師の毛を欲しがる下りがやたら好き。
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