桃子

宇宙戦争の桃子のレビュー・感想・評価

宇宙戦争(2005年製作の映画)
2.9
「大画面でないと…」

「宇宙戦争」で検索をかけると最初に出てくるのがこの映画である。監督はスティーヴン・スピルバーグ、主演はトム・クルーズ、ナレーションはモーガン・フリーマン。こんな豪華な映画を、恥ずかしながら知らなかった。映画をよく見ていた時期のはずなんだけど… もっとも、映画館に行って見たことを100%忘れ果てていた映画もあるので(同じくトム・クルーズ主演の「オブリビオン」)、もしかしたらこの映画も大画面で見たのかも。さすがに15年前の記録がもう手元にないので判断のしようがない。
実は、1953年版を見た直後に続けて鑑賞した。目当てのひとつは、1953年版で主演していたジーン・バリーとアン・ロビンソン。ふたりが、ラスト近くでカメオ出演しているというのを知ったのだ。たしかにふたり揃って出ていた!ご存命だったと知っただけでもなんだか嬉しい。
トム・クルーズ演じる主人公のレイは、一般人だ。学者でも兵士でもないし、父親としてもダメ人間。元妻から世話を頼まれた子供ふたりを連れて、宇宙人が襲来して地獄と化した中、元妻のいる街へと向かう。レイはひたすらに逃げて逃げて逃げまくり、生き残るのだ。宇宙人襲来映画というよりは、サバイバル映画なのかなあって思ってしまった。
宇宙人の徹底した破壊行為はすさまじい。ビジュアルとして、ものすごく怖く描写されている。殺人光線を受けて人体が蒸発して服だけがひらひらと舞うところとか、真紅に染まった根っこがウネウネと伸びているところとか、一面に真っ赤な地面とか、ホラー映画の領域に達している。観客を怖がらせるのには大成功していると思う。
興行的には成功しているものの、映画評論家からは酷評されているというのが納得できる映画である。
ブロックバスターパニック映画は映画館の大画面で見ないと楽しめないなあと改めて思い知らされた。
桃子

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