しゅん

失われた週末のしゅんのレビュー・感想・評価

失われた週末(1945年製作の映画)
-
シネマヴェーラ「名脚本家から名監督へ」

アル中の男のダメなところをダメなまま映していく。それが何故人を激しくエンターテインさせるのか。わからない。ただただ、観ている間ずっと楽しかった。クローズアップや円形の連関(グラスのあと、質屋のしるし)や上下運動(階段、「かがんで」)が功を奏しているのかもしれないけど、それだけじゃない気もする。「誰にでも身に覚えのある」と「誰にも理解されない」を両立しているのにエモーションを刺激されるし、論理で解決させないラストも見事。ワインやコートに宿るユーモアも気が利いてる。だけどその全てを持ってしても理解できない高揚感が観てる間持続した。あれはなんなんだろう。自分にとっては大きな謎のような映画。

部屋にゴッホの絵が飾ってあるのが気になる。あとグロリア嬢が好き。
しゅん

しゅん