ねぎおSTOPWAR

失われた週末のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

失われた週末(1945年製作の映画)
3.1
アカデミー受賞作品を観よう50(1945年第18回作品賞/監督賞/脚色賞/主演男優賞)

すっごいな・・・これ作品賞とは。
ビリー・ワイルダー監督、楽しみにしていた作品はなんとアルコール依存症の男が主人公。
画面に出てきた時から既に依存症です!最後も更生するんだかどうなんだか!?

この終戦の年、アメリカではアルコール依存症は社会問題化していたのでしょうか?これについては知識持ち合わせておらず。セリフに「(アルコール依存症が増えたのは)禁酒法の悪影響だな」といったものはありましたが・・。

主演男優賞を受賞したレイ・ミランド扮するドン・バーナムは依存症。献身的で我慢強い兄ヴィック(フィリップ・テリー)と彼女ヘレン(ジェーン・ワイマン:注 ロナルド・レーガンと結婚していた方)に支えられ酒を断とうと言っていますがまるで改善の気配なし。小説家を目指している設定で、自身の依存症体験を書こうとしています。そのストーリーとしてこれまでの経緯が映像化されていく仕組み。レイ・ミランドは堕ちていく男を熱演!

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なにしろ素晴らしいのは冒頭のワンショットパーン!
書き割りかと思いますが位置関係や時代を一気に説明するショットです。
そしておそらくはカットして使われていますが、・・・・



《ここからネタバレになりますので・・》





最初のパーンはドンを映してそのままパンダウンし、酒ビンを映します。そして元来た方向に逆にパンします。それが更生を誓ったあとのエンディング。
撮影自体はワンショット、ないしはカットした時点から再スタートして撮影されたんですね。冒頭を伏線とした計画的なショットでした。