失われた週末の作品情報・感想・評価

「失われた週末」に投稿された感想・評価

クワン

クワンの感想・評価

3.5
アル中映画の原点。

先程レビューした「リービング・ラスベガス」より更にストレートにアルコール中毒の怖さを全面に描いている。やめたくてもやめられないその絶望。名匠ビリーワイルダー監督はその追い詰め方に容赦なく、アカデミー作品賞とレイミランドが主演男優賞を取ったのも納得のリアリズムと行き場のない人間ドラマだ。

売れない小説家が酒を買う金欲しさに、タイプライターを質に入れ、バーで女性の鞄を盗み、禁酒を誓ったはずなのに酒の魔力に屈していく。アル中病棟に送られ。脱走してもアル中患者特有の幻覚(壁からネズミが這い出し、窓からコウモリが侵入する、、)からは逃げられず、ピストル自殺しようとするが、、人間の内面の崩壊と狂気と共に抗えない哀しみが迫ってくる。

この2作観たら、お酒飲みすぎな方は控えられるかもしれない。。

明日は転職同期と飲み会。男ひとり私だけお酒あまり呑めず、後の女性3人はお酒大好きなので、必然的に飲み放題の店。ああ、お酒呑めるっていいな、酔っ払うって羨ましいな、、とたまに思う。たまには、私も酔って、記憶を失くして、失われた週末を過ごしてみたい 笑 でもやはりシラフの私は、記憶鮮明。だいたい後半は必然、ひたすら聴き役になること多い。そして、私は井戸になる。

でも、幸せな酔っ払いに向かって、この映画の話は明日はしないつもり笑
こ

この感想・評価

3.5
自分のダメなところを誇張して見せられてるようで、しんどくなった。絶賛禁酒中です。
三重野

三重野の感想・評価

3.7
面白い。明日は我が身。まあ彼は結局この先も同じことを繰り返し、いずれは引き金を引くだろう。
カンヌ映画祭とアカデミー賞の男優賞は度々被ることがあるが、記念すべきカンヌ第一号の男優賞とアカデミー賞を同時に受賞したのがこの映画の主演であるレイ・ミランド。

表現としては心理描写が強めのオーソドックスなものだったけど、アルコール依存症に悩む小説家っていう設定と演じるレイ・ミランドの演技が結構響く内容になっていた。(特に作品に手をつけようとしても最初の時点で躓くところとかは共感して仕方なかった)

終盤の幻覚描写も案の定とは思いつつ、後の仁義のイヴ・モンタンや反撥のカトリーヌ・ドヌーヴが見るような幻覚にはしっかり恐怖心が感じられて印象に残った。

ビリー ・ワイルダーの作品はコメディの方がより好みだが、40年代のサスペンスチックな作品でも手堅い手腕が感じられて、これはこれで良い。(ラストの描写もスマートでグッとくる)
アル中の怖さ、というより夢追い人の悲惨な末路の怖さの方が強かった。
文を書こうとしてタイトルしか思いつかないところがピークだった。
ちろる

ちろるの感想・評価

3.7
私はアルコールに弱くてお酒に溺れた経験は無いのだけど、アルコール中毒者の世界ってこんななのだなぁ、とゾッとした。
物語はいたってシンプル。
真面目なお兄さんと恋人は、必死で中毒から彼をまともな道に戻そうと気をつけるんだけど、彼はあの手のこの手で酒を飲むことに必死になる。
はじめの方は、ビリーワイルダー作品らしく、そのイタチごっこがコミカルに描かれているのに、途中からはどんどん常識から逸脱したただの暴君のようになって酒をなんとか手に入れようとする展開は全然笑えない。

これをこのまま覚せい剤、薬物中毒に当てはめることができるんだろうけど、中毒者の悲惨な成れの果てを見ても全然恐怖を感じないことに驚いてしまう。
だんだんホラーみたいにシリアスに転調していき、最初と最後で作品への印象がガラッと変わった作品でした。
小川

小川の感想・評価

4.5
依存は苦しい‼️人や物に依存すると想像を絶するツラさ、、、特に人。絶対絶対絶対の絶対、何にも依存しないよう気を付けよう、と改めて自分を鼓舞することのできた映画。アリガトウ!
あと音楽が超素晴らしい👏👏
♪ 二日酔いが怖くて酒が呑めるか
  それなら三日三晩 呑み続けりゃ怖くねえ

第18回アカデミー作品賞受賞作。
仕上げたのはビリー・ワイルダー監督。
相も変わらずの安定感で見事な限りでした。

物語としては痛みが伝わってくる重厚なドラマ。アルコール依存症の男性が転げ落ちていく様を丁寧に描いています。

本当に依存症とは恐ろしい病気ですね。
意思とは関係なく対象物が欲しくなり、ズブズブと沼に嵌っていく様は鳥肌が立ちます。

だから、大切なのは家族や友人などの協力。
…なのですが、対象物以外には冷静な様子を見せるので理解を得にくいのですね(劇中でも“心無い言葉”がジクリと胸を刺しました)。

また、依存症はアルコールに限った話ではなく。煙草やギャンブルやドラッグ、はたまた人間関係なども対象になるわけで、けっして他人事ではないのです。

ゆえに、とても不快極まりない気分でした。
肌の上を小動物(人によっては大名行列)が蠢く感覚。じとりと滲み出る手の汗。耳に残るテルミンの高音。きんきん、どんどん、どんきんきん。苦しくて呼吸困難に陥りそうなのです。

まあ、そんなわけで。
「駆り立てるのはアルコールへの渇望、横たわるのは犬と豚」なんて言いたくなるほど、カラカラに乾いていく物語。鑑賞後に酒を呑みたくなったら重症なので注意が必要ですよ…と言っても依存症には効果が無いのですよね…怖いなあ。

余談ですが僕の場合。
酒は呑まず、煙草も吸わず(禁煙8年目)。
ギャンブルにハマるほどの度胸もないので依存症とは無縁…とも限らず、最近は映画に依存しているのかも…うう…もっと傑作をよこせ…うう…。
KAZU

KAZUの感想・評価

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アル中への警告

アル中の不安感、恐怖が音や雰囲気を通して絶妙に描かれてる。ヘタな啓発やるよりもこういう映画見せてびびらせた方がいいんじゃね。

アル中は小動物幻視と嫉妬妄想が特徴的。国試の勉強にもなったわ
名匠ビリー・ワイルダー節が効きまくっているサスペンス。
アルコール依存症に陥っている一人の男の物語。

現在は飲酒率が減ったとは言え、まだアルコール関係の問題は絶えないのに、当時は今以上に酒の文化が栄えていた時代。

そんな時代に一石を投じる問題警鐘の作品を作ったことに驚き。
酒無しではいられず、何とかして酒を飲もうとするアルコール依存症の症状を克明に映していて、その苦しみが見ている側にも伝わってくるようでした。

スケール自体は大したことない映画ですが、しっかりと見せてくれる作品を作るのはやはりビリー・ワイルダーらしい。
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