茜

シカゴの茜のレビュー・感想・評価

シカゴ(2002年製作の映画)
4.0
ミュージカル映画は「お前何でここでいきなり歌いだすんや…」と思って冷めちゃうから基本的に苦手なんですが、
こちらはストーリーの進行と歌が絶妙に絡めてあるからか、観ていて楽しかったし面白かった。
ミュージカルシーンの演出も愉快で、踊りも迫力満点、歌も吹き替えなしで役者さん自身が歌っているという点もこだわりがあって好きです。
ロキシーの可愛い声とちょっと控えめでぎこちないダンスは、彼女のしたたかなぶりっ子キャラと合ってるし、
ヴェルマの自信に満ちた表情で豪快に踊り、低めでドスの効いた声で歌い上げる姿も彼女の性格そのものって感じだった。
リチャード・ギアはミュージカル経験があるそうで、こなれてる感じがまさに敏腕弁護士の余裕を見せられているようで楽しかったなぁ。

ただ一方でストーリー的には全く共感出来ず、自己顕示欲とか嫉妬とかずる賢さにまみれた女性ばっかり。
常に新しい血を求めるシカゴを生き抜くためには、これぐらいのタフさがないと無理なのかもしれないけど、
とにかく出てくる女性が皆したたかで、自分の周りに居たら絶対近寄りたくないタイプばっかり。
特にロキシーみたいな女性は苦手だから、結局最後の最後まで好きになれないキャラだったなぁ。
でもここまで全く登場人物に共感出来ないのに、最後まで楽しく観れて不快感がないのは、この映画の凄いところだと思う。
寧ろまたふと思い出して観たくなるんだろうと思うから、私は何だかんだでこの映画好きなんだろうなぁ。

キャサリン・ゼタ・ジョーンズの黒髪ぱっつんボブにがっつりメイクがめちゃくちゃ綺麗で自分好みだった。
でも刑務所の中ですら皆が終始がっつりメイクだったのには流石に笑ってしまう。
茜